プラナリアって知っていますか。高校時代の生物の授業などで、もしかしたら聞いたことがあるのではないかと思います。プラナリアは、扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目に属する動物の総称です。体表に繊毛があり、この繊毛の運動によって渦ができることからウズムシと呼ばれるらしいです。この一行はWikipediaより引用しました。
さて、このプラナリア、とても再生能力が強いと言われており、体を半分くらいなら簡単に再生します。また、分裂して(多細胞なのに)増えることもできるらしい動物です。結構綺麗な水にすんでいて、職場の高校の側溝(常に上の方から水が流れてきている)を探したら結構の数のプラナリアが見つかりました。早速生徒たち(部活)が、いろいろと切っては再生実験を行いました。土日観察を休んでいたらもう再生していたというくらいのすごい生き物です。
ということで、ちょっと普通の顕微鏡で観察するには大きすぎるので、実体顕微鏡にて観察・撮影をしています。上の3枚は、いつも通りに顕微鏡アダプターを付けて撮影したプラナリアの写真です。しっかりと、目のように見える眼杯が見えます。生徒は、頭の部分を2つに裂いたのですが、裂き方が甘かったようで、2つの頭のプラナリアにならずに、傷口がひっついて治ってしまいました。ということで、生徒たちはこれから何をするのだろう?
最近、違う場所からプラナリアを採集してきました。以前の場所よりも標高が高く、捕獲された個体はかなり大型でした。また、咽喉の下付近に今までの個体とは違った構造が見られることからもしかしたら有性個体である可能性があります。プラナリアはどうも有性生殖を続ける系統と、無性生殖しかしない系統と、有性生殖と無性生殖をその環境によって使い分ける系統があるそうです。ということで、どうも今まで捕獲していたのは無性系統、そして今回得られたのは有性系統の可能性があります。現在は、何とか捕獲してきたプラナリアたちに何とか産卵をさせたいと考えています。果たしてどうやら。水温の変化により産卵期に入る可能性があるので、今はその確認しようとしています。果たしてどうなることやら・・・・。でも楽しみです。
プラナリアの同定等をする場合には、染色体数(核型)を調べる必要があるらしいです。また、系統によっては2倍体(2n)だけでなく、3倍体(3n)や4倍体(4n)も存在するそうです。植物では結構簡単に体細胞分裂が観察できますが、動物は結構難しいというか観察方法を実は知りませんでした。そこで、いろいろ調べたところ、再生させれば分裂が起こる・・という単純な方法を使うそうです。ただ、このままでは染色体数を数えやすい中期の細胞は少ないので、コルヒチンという薬品(紡錘糸の形成を阻害する効果がある。結果として染色体が移動できずにいるため中期の細胞が増える)で処理をすることになります。その後は固定作業などを行って、ギムザ液で染色すると観察できます。このようにして観察したのが、左の写真です。